洋上風力発電の発電コストを1キロワット時あたり8~9円に
洋上風力発電の発電コストを1キロワット時あたり8~9円に 導入目標として政府は、年間100万kW程度の区域指定を10年継続し、2030年までに1,000万kW、2040年までに浮体式も含む3,000万kW~4,500万kWの案件を形成
政府は、洋上風力発電について、意欲的な発電コスト目標を打ち出した。政府は2030~2035年までに1キロワット時あたり8~9円を実現するという。再生可能エネルギーの発電コストは高いという評判があるが、これは日本だけの話。諸外国では再生可能エネルギーのコストは安いというのが常識となっています。
政府が設置した洋上風力の産業競争力強化に向けた官民協議会の「洋上風力産業ビジョン」によると、洋上風力発電は、①大量導入、②コスト低減、③経済波及効果が期待され、再生可能エネルギーの主力電源化に向けた切り札。欧州を中心に全世界で導入が拡大。近年では、中国・台湾・韓国を中心にアジア市場の急成長が見込まれる。(全世界の導入量は、2018年23GW→2040年562GW(24倍)となる見込み)。
また導入目標として政府は、年間100万kW程度の区域指定を10年継続し、2030年までに1,000万kW、2040年までに浮体式も含む3,000万kW~4,500万kWの案件を形成する。
さらに導入目標を実現するためには、継続的な案件形成が不可欠。案件形成にあたっては、①風況・地質等の調査、②環境アセスの実施、③地域調整、④系統対策等を同時に行っていく必要があると考え、初期段階から政府が関与し、より迅速・効率的に風況等の調査、適時に系統確保等を行う仕組み(日本版セントラル方式)の確立に向けて実証事業を立ち上げることにより、案件形成を加速化させるという。
また、国内外から投資を呼び込み、競争力があり強靱なサプライチェーンを形成するため、政府による導入目標の設定に加えて、産業界についても国内調達比率を2040年までに60%として、国内で調達する比率を高める。
今回、菅政権による方針転換を受けて、経済産業省が海外並みのコスト目標を公式に打ち出したことで、日本でも再生可能エネルギーが高コストであるといるイメージがようやく払拭される可能性がありますが、欧州各国のコスト水準とはまだ差がある状態で日本の洋上風力発電産業が国際的な競争力を獲得できるかは不透明だ。
参考:https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/yojo_furyoku/002.html