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太陽光投資用語(発電設備編)

公開日:2021年04月19日

発電設備

太陽光パネル(太陽光モジュール)solar panel photovoltaic module

 太陽光パネルまたは太陽電池パネル(たいようでんちパネル)とは、太陽光で発電を行うためのパネルのこと。太陽電池板、太陽電池モジュールともいいます。ちなみに太陽光発電業界の俗に、PV業界などといいますが、これはphotovoltaic(太陽光発電)からきています。

セル Cell

 太陽光パネルはさらに、セルに分解することができます。セルを組み合わせたものが1枚の太陽光パネルになります。

単結晶モジュール

 単一の結晶のシリコンインゴット(かたまり)をスライスし、パネルに敷き詰めることによって作られた太陽光モジュール。結晶構造に由来する発電ロスが少なく変換効率が高い特徴がある。

 固定買取制度開始当初は多結晶モジュールよりも高価であったために、設置場所が小さくても高い発電能力が求められる住宅や小規模建物の屋根に設置されることが多かった。そのため、全体の出荷量としては多結晶モジュールが単結晶を上回っていた。

 しかし、2018年ごろからPERC技術(裏面不動態型セル・Passivated Emitter and Rear Cell)による高い変換効率の単結晶モジュールが市場を席巻し、2020年以降は単結晶モジュールが主流になりつつある。

多結晶モジュール

 単結晶のシリコンインゴット(かたまり)を生成する過程で生じたシリコン結晶を寄せ集めて製造したシリコンインゴットをスライスして、パネルに敷き詰めることによって作られた太陽光モジュール。

 結晶構造の違いから変換効率は単結晶より劣るが、製造コストは格段に安価であったために、FIT制度開始当初はほとんどの大規模太陽光発電設備に多結晶モジュールが採用されていた。

 しかし、近年では新しい技術を用いた単結晶モジュールの中にコスト当たりの発電量が多結晶モジュールよりも高い商品が続々と表れたために、現在では主流の座を明け渡している。

パワーコンディショナー(PCS:/略称パワコン)

 パワーコンディショナー(パワコン)は、太陽光発電システムや家庭用燃料電池を利用する上で、発電された電気を家庭などの環境で使用できるように変換する機器であり、インバータの一種のことです。海外ではPVインバーターと呼ばれることが多いようです。太陽光発電システムで発電された電気は、直流(DC)で、これを交流(AC)に変換する機器です。家庭用電源のことをACプラグとよばれます、この意味は交流のことです。

パワコン容量とパネル容量(モジュール容量)

低圧容量が50kw以下となっているのは、通常パワコン容量のことになります。通常過積載によって、パワコン容量よりも多く太陽光パネルを設置するので、通常太陽光発電システムは、「パワコン容量<パネル容量」の関係になります。パワコン容量のことをAC容量、パネル容量のことをDC容量ともいいます。過積載率という用語がありますが、これは、パネル容量をパワコン容量で割ったもので、最近は150~200%となっているケースが多く見られます。

接続箱

太陽光モジュールをつなぐ複数のストリングス(回路)をまとめて太いケーブルによって電流をパワーコンディショナーに送るための装置。

規模が大きくなればなるほど、細いストリングスでは電圧降下が起きやすくなるために、1ブロック(1アレイ)ごとに回線を接続箱に集めて電気を供給する。接続箱には、点検や事項防止のために用いる開閉器のほか、避雷素子や逆流防止ダイオードを内蔵する。小型の分散型パワーコンディショナーには接続箱の機能を兼用しているものも存在する。

キュービクル

電力会社から供給される高圧の電気を発電所内で使用するのに適した電圧に変換して供給するために設置される箱状の構築物。キュービクル式高圧受変電設備のことを指すが、専用の昇圧器(昇圧ユニット)を含めて言う場合が多い。

高圧太陽光発電設備(設備容量50kW~2,000kW未満)の場合、高圧線に系統連系する必要があるために、所内の電圧と系統の電圧を合わせる必要がある。そのため、高圧以上の発電設備を稼働させる場合には、キュービクルを設置しなければならない。

監視・計測装置

監視システム

太陽光発電設備の発電量、現地の日射量、機器のトラブルなどのデータを遠隔地から監視することができるシステム。インターネット回線を通じて遠隔地のパソコンからアクセス・ログインして監視画面を確認できる。

PCSからの送電量を「CTセンサー」によって測定し測定値をデータ化する方式と、通信機能付きのPCSから情報を受け取りデータ化する方式がある。

CTセンサーによる方式は電流量のみのデータのため主に低圧太陽光発電設備に用いられ、多くの高圧太陽光発電設備では通信機能付きのPCSから情報を受け取る方式が用いられる。

HEMS・BEMS

Home Energy Management System、Building Energy Management System略で、エネルギー監視システムの一種。

一般的な太陽光発電の監視システムでは、発電量をモニターで確認できるのみであるが、HEMS・BEMSの場合には発電量のほか、配電設備ごとの電力使用量や電気料金、CO2削減量を可視化することによって消費電力をリアルタイムでマネジメントする。

場合によっては過剰な電気使用に対する警告を出したり、自動でブレーカーを制御することで、環境負荷の低いエネルギー利用及び省エネを目指す。

スマートメーター

電力使用量をデジタル化して計測し、通信機能でデータを送信することができる電力量計。従来型の電力量計では、毎月検針員が訪問して電力量を検針していたが、スマートメーターの設置によって検針の負担がなくなる。

傾斜角

地表に対するモジュールの角度。架台のパネル設置部分の角度によって定まる。太陽光モジュールは、太陽光からの日射がモジュールに対し垂直であるときに最も発電量が高くなるとされるために、モジュールに角度をつける必要がある。全国平均的には30度程度の傾斜角が最適といわれているが、地域や季節によっても最適な傾斜角は異なる。特に世界的にみると、低緯度になればなるほど傾斜角は小さくなり、中・高緯度では傾斜角は大きくなる。

力率

発電所内から送電される交流電力のうち、実際に売電可能な電力の比率のこと。有効電力が100%の時には力率1、無効電力が100%の時には力率0とされる。系統の電圧が過度に上昇することを防ぐために、系統連系の条件として電力会社から力率の指定(0.9、0.85など)がなされることがある。その場合には、発電事業者側はパワコンを制御することによって、力率を一定にして送電する。

ピークカット

発電所内で作られた電力量がPCSの容量を超えることにより、一部の電力量が売電できない現象。発電所内での電圧低下やロス分などを考慮して、太陽光モジュールのシステム容量はPCSの容量よりも大きめにするのが一般的であるが、日中に発電量がピークになるとPCSの容量を超えることがある。システム容量を大きくすることでビーク部分は売電できなくなる反面、朝夕の発電量が上昇するため、ピークカットがあっても朝夕の発電増加分を重視する傾向にある。

日射量

一定時間に太陽から地表に送られてくる光エネルギーの総量。単位は1kWh/㎡。

太陽から直接受け取るエネルギーを直達日射量というが、実際は地面や空気などいろいろな物質に反射するエネルギーもある(散乱日射量)。直達日射量と散乱日射量を合わせたものを全天日射量と呼ぶ。

太陽光発電で重要なのは、傾斜角をつけて設置された太陽光モジュールが受ける日射量(斜面日射量)であるが、新エネルギー・産業総合開発機構(NEDO)は独自のデータ解析から全天日射量から斜面日射量を算出して地点ごとに平均日積算日射量を表示できるシステムを提供している(MONSOLA-11)。

設計図面

モジュール配置図(アレイ配置図)

CADで作成された測量図もしくは屋根図面上に、縮尺を合わせたモジュール(アレイ)を配置した図面。一般的にはモジュールの他、PCS、キュービクル、連系点の位置が示される。

モジュールの枚数、モジュールの設置場所が明らかにする目的もあることから、設備認定を取得する前の段階で作成し設備認定申請書に添付する。

単線結線図

電気回路の系統を単線で示した結線図面。太陽光モジュール、接続箱、PCS、受変電設備。電力量計など発電設備の主要設備が簡易な図形で記載される。電力会社に系統連系を申し込むときには、系統連系申込書に単線結線図と他の必要書類を添付する必要がある。

品質・基準

変換効率

太陽光エネルギーをどれだけ発電量に変換できるかを示す指標。

モジュール仕様書に記載される最大モジュール変換効率の表示は、JIS C 8918(日本工業規格)で規定されており、AM(エア・マス)1.5、放射照度1,000w/㎡、モジュール温度25℃のときとされている。

エア・マスとは、晴天時に、天頂から約42度で入射した太陽光の強度を指す。真上から入射するよりも通過する空気の量が1.5倍多いことを示しており、この時の太陽光エネルギーの量を1,000w/㎡としている。

最大モジュール変換効率は以下の数式で算出される。

モジュール公称最大出力(W)×100
モジュール面積(㎡)×1,000(W/㎡)

TUV(TUV認証)

ドイツ技術検査協会(Technischer Überwachungs-Verein)のこと。「テュフ」と読む。製品の技術、安全等の品質について第三者機関が一定の基準を満たしているかの調査・試験を行い、認証を行う。日本でいうJIS規格のようなもの。

ヨーロッパで太陽光発電の需要が増えそこから全世界に広まっていったことから、太陽光業界ではかなり早くからTUVの認証を受けることが一般的になっている。

日本では、テュフ・ズード・ジャパン、テュフ・ラインランド・ジャパンがあり、製品の試験・認証を行っている。

出力保証

太陽光モジュールの最大出力の下限を示し、一定の期間内に出力を下回った場合には無償で交換するなどの保証を付与すること。

一般的には公称最大出力の80%から90%を10年間から20年間保証するという内容になっており、モジュールメーカーによっては年ごとに逓減していく保証内容になっているところもある。

もっとも、実際に公称最大出力をどの程度下回っているかについては、専門の機関に調査を依頼する必要があるなど、保証内容についてあいまいな点も多い。


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