太陽光発電投資のメリット
世界で、脱炭素社会への流れとともに、投資家たちから注目を浴びているのが、太陽光発電投資です。簡単に言えば土地を購入し、発電装置を設置して、発電した電気を売って利益を得る投資をいいます。たとえば、初期費用が1,000万円で売電収入が年間100万円であれば年利10%です。10年で初期費用が回収でき、11年目からは儲けとなります。実際はメンテナンス費用も計算にいれますが、分かりやすく説明すればこのようになります。
以下で、太陽光発電投資のメリットを解説していきます。
1.再現性が高い
太陽光発電投資のメリットとして、1番に挙げられる点は、再現性が高いという点です。不動産投資は、立地や周辺の状況等や入居者の出入などの複数の要素が影響を受けますが、太陽光発電投資の場合、空室リスクなどの要因はありません。不動産投資で空室の状態が半年以上続くケースは当然にありえます。しかし日本で半年以上同じ場所で雨が降り続いたというようなことはありません。多少曇りや雨が多いことはもちろんありますが、誰が投資しても、初期投資時に大きく間違えをおかさないかぎり、誰でも確実に一定の収益が見込めます。
2.他の投資対象と比較してリスクとリターンの関係がよい
下の図は、あくまで一般的なイメージ図ですが、株式投資は、うまく行った場合のリターンは高いですが、リスクも当然それなりにあります。一方、太陽光発電投資や不動産投資は、比較的、低リスク、ミドルリターンとされています。そのなかでも太陽光発電は、不動産投資と比較して、空室リスク等もなく安定的な収益の獲得が期待できると考えられています。
3.平均10%前後と比較的利回りが高い
太陽光発電投資は年10%前後の利回りを期待することができます。それを確認するために、実際に100kWの設備を設置したとして次の2つを比較してみます。
・初期費用
・年間の売電収入
まず、調達価格等算定委員会「令和2年度の調達価格等に関する意見書」によれば、発電量50kW以上の発電設備の工事費などを含むシステム費用は、安価な場合で13万円/kWと報告されています。これからすると、100kW設備であれば初期費用は1,300万円です。
一方、年間の売電収入は年間予想発電量kWh年kWと売電価格円kWより求めます。年間予想発電量はNEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)によりと、たとえば千葉県では1,066kWh年kWであり、売電価格は2020年の場合、12円kWhです。
以上から年間売電収入は、
年間売電収入=年間予想発電量x設備発電量x売電価格
1,279,200円年=1,066kWh年kW x100kWx12円kWh となります。
実際の投資するときには、もっと正確なシミュレーションをしなければなりませんが、概略でいえば1300万円の初期投資で年間約130万円の利益が得られる、つまり年利10%は大きなメリットです。販売会社が投資シミュレーションの資料を見積と同時に提出してくれますが、おおよそ10%前後になっているケースが多いです。
4.国が保証しているFIT制度があるためローリスク
FITとは、再生可能エネルギーによる発電を普及させるために、政府が行っている「再生可能エネルギー固定価格買取制度」のことです。前項で説明したように、2020年度に申請した100kWの場合、20年間12円/kWhで電力会社が買い取ってくれることを国が保証しています。20年間、売値が決まっているということは、非常にローリスクの投資になります。
不動産投資の場合、「借上げ保証」で借上げを保証してくれますが金額まで保証しているわけではないので注意が必要です。また、近隣に同じような賃貸物件等ができた場合、通常需要は下がりますが、太陽光発電投資の場合、電力需給バランスに影響がない限り収益に影響はありません。このため太陽光発電投資は、実物資産投資としては、非常にリスクが低い投資となっています。
5.収益・費用のシミュレーションが容易
太陽光発電が本格的に始まって約10年、その間官民で太陽光発電のノウハウが蓄積されてきました。つまり、天候によるリスク、発電性能の経年低下、メンテナンスの費用など含めたさまざまなデータがそろい、長期にわたる正確なシミュレーションが可能になっています。
投資を決断する前に正確な収益シミュレーションができるのは、ローリスクな投資であり大きなメリットです。
6.運用・管理が比較的簡単
太陽光発電投資の運用管理はとても簡単です。日常的には遠隔監視システムの発電量や売電金額のチェックをスマホやPCで確認するだけです。雑草については、防草シートを敷いてしまえば、雑草も生えないのでメンテンスフリーです。設備の劣化や故障の予防には数ヶ月に一度の目視点検や数ヶ月から数年に1度の機能検査をメンテナンス事業者や販売会社に対応してもらえばOKです。
また、太陽光発電は電気を生み出すが、燃料などの消耗材が一切不要です。可動する部分もないため、潤滑剤などのメンテナンス剤も必要なく故障の確率も低いです。
7.ソーラーローンなどの融資を活用できる
株式に投資したいので、銀行に借り入れを申し込んでも資金を借りることはまずできないでしょう。しかし太陽光発電所に投資する場合は、融資が活用できます。前述したように太陽光発電投資をするには、かなり高額な初期投資が必要です。脱炭素社会への流れを受けて、制度融資等を活用することもできます。
太陽光発電のためのローンで、公的融資、銀行ローン、信販ローンがあります。それぞれ審査基準、融資条件、金利、返済期間などが違います。
さらに詳しく解説: 太陽光発電投資融資のポイント
8.「脱炭素社会の実現」という国の政策の推進と発電所投資がマッチするため税制優遇がある
脱炭素社会の実現という国や世界の潮流があり、日本政府は、脱炭素社会を実現するためのさまざまな施策を行っており、発電所に対する投資もその一環で、固定資産税の優遇措置などの税制優遇措置があります。他の投資形態でこのような税制優遇が利用できるのは少数でしょう。